【農地相続での相続税特例とは?】

 農地は、日本人の食料基地的存在なので、農地法と相続税法等では特別な規制と特別措置をもうけています。例えば、死因贈与契約(特定の農地を遺贈する)や特定遺贈遺言(特定の相続人に特定の農地を相続させる)の場合には、最寄の農業委員会への農地法第3条の許可申請が必要不可欠となります。(勝手に農地名義変更はできない。)

 一方、相続農地(現状農地)については、下記の要件がみたされている限り、仮に相続税が発生(5000万円+相続人×1000万円以上)していても農業投資価格を超える部分に対応する相続税の納税は猶予されます。又下記の.つの日付の内到来した日に、猶予された相続税は免除されることになります。(措法70の6の35)

1.対象となる農地(特別農地)

(1)農地法第2条1項に規定されている農地で、被相続人が相続発生の日まで、農業の用に供していた農地であること

農地が他人に貸し付けられている場合や、長期に耕作されずに荒廃している場合は適用外となるので要注意となる。

(2)都市農地の内、三大都市圏内(首都圏・中部圏・近畿圏)で都市計画法第8条で規定されている「生産緑地地区内の農地」(都市営農農地等=500u以上)

特例農地が市街化区域内に線引されることにより、都市営農農地等の要件に該当しなくなる場合があるので、要注意となる。

2.免 除 日

(1)特例の適用を受けた農業相続人の死亡の日

(2)農業相続人が特例農地等の全部を農業後継者に生前一括贈与した日

(3)20年間農業経営を継続した場合に、相続税の申告書の提出期限の翌日から20年を経過する日

 尚、特例農地の内「都市営農農地等」については、3年ごとに「継続届出書」(含農業生産及び出荷状況並びに収入金額)を管轄する税務署へ提出しなければならないので、裏付として正確な確定農業申告が毎年必要不可欠となります。

 

 このように、法律上の特例や恩恵又は社会的特権を享受(権利)するには、関係する法令義務について勤行していることを立証できなければならず、やはり行政処分や民事・刑事裁判(判決)においても、「法務会計」が欠如・欠落していれば不利な扱いをうけることになります。それで「法務会計」的マネジメントが必須ということです。

理事長 橋本康扶


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